働く人のキャリアに滋養を与え、育み、力強さをもたらし、躍動を創り出す。

【コラム】伝える言葉。

 

20代女性。サービス関連企業。営業事務職。入職2年目。

明るい笑顔の、どちらかといえば溌剌とした印象。

会社を辞めたいと来談。

 

辞めたい理由を聞いてみた。

 

人手不足の社会情勢。

例外もなく彼女の勤める会社も、所属部署も多忙な日々だ。

それでも何とか業務は滞ることなく遂行されていた。

 

残業もあるが、恒常化する程でもなく、

休日はきちんと取れるし、有給休暇の取得も難くない。

人間関係が悪いわけでもなく、チームの連携も悪くない。

 

では何故、辞めたいのか。

 

同じチームの一人が結婚することになった。

そして結婚と同時に、配偶者の異動に伴って県外へ転居することになり

やむおえず退職の運びとなった。

 

欠員である。

 

会社にはこの欠員を直ぐに補充できるほどの人材がおらず、

中途採用するなり、一時的に派遣社員を導入するなりの手立てが必要となった。

しかし、どのみち時間がかかる。

受け持っていた業務を誰かに引き継ぐ必要もある。

 

上司は、入職2年目の彼女に白羽の矢を立て、

早急に業務の引き継ぎをするように命じた。

 

ところが本人にしてみれば、

やっと担当業務に慣れたばかりで余裕がなく、

新しい業務を受け持てば、その量は彼女の目線では単純に2倍となるのだ。

 

不安になった。

 

しかし、その不安は脇へ押しやられ、

上司は

「君の仕事だからね。やってもらわないと困るんだよ!」

と投げやった。

 

プレッシャーである。

 

目の前が真っ暗になり、

パワハラだの、ブラックだの、

ネガティブなニュースやワードでいっぱいになった。

 

思わず、

「できません!」

と投げ捨てるように言ってしまった。

 

そして「辞めたい」である。

 

一通りの話を聴いて、辞めたい理由を掘り下げて行くと、

本当に辞めたいわけではなく、

ただただ不安なのだということがわかった。

 

業務を引き継ぐことが嫌なわけでもないし、

勤める会社が嫌なわけでも、

上司が嫌いなわけでもない。

 

不安なだけなのだ。

 

とかく人間は、自分の物差しでものを判断したり言ったりしがちだが

言葉を向ける先には必ず自分とは違う「相手」がいることをもっと意識するべきだ。

 

まして目下の部下に指揮命令するときはなおのことだ。

 

ほんの少し、相手の立場に立ってみる。

相手の受け止め方に寄り添ってみる。

それだけで、自ずと出てくる言葉のニュアンスが変わる。

それがどれほどのコミュニケーションを円滑にすることか。

 

このケースの問題点は一つ。

 

「本当に伝えたかったことは何だったのか。」

 

どちらか一方のことではない。

「お互いに」本当に伝えたいことが伝えられたのか?

伝わったのか?

 

ここを放り投げてしまうと、

まかり間違えばパワハラになるのである。

 

 

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